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2011年8月30日 (火)

映画 一枚のハガキ ☆☆☆☆★

■ 一枚のハガキ 114分 (名演小劇場)

■ 監督 新藤兼人

■ 私の採点 ☆☆☆☆★

 110830

■ 映画を観た後で…

今年の日本映画のなかで屈指の作品だと云える。

99歳の新藤兼人のバイタリティと、映像感覚の瑞々しさには驚くばかりだ。

たとえば大竹しのぶの絞り出すような圧倒的演技を引き出す活力や

たとえば夫や義弟の出征と死の帰還をワイプで転換する映像センスや

たとえば豊川悦司がのどを鳴らしてコップの水を飲むシーンは末期の水を与えられる

ことさえなく死んでいった兵隊たちの戦場での苦しみを想起させ、さらには彼らに代わ

って水を飲むことで豊川をして戦友の死を悼む新藤兼人の意思を象徴させたかった

に違いないと連想させる映画独特の多義性の付与は、

映画を撮り続けてきた新藤ならではの力量であり才能だといってよいだろう。

何よりもこの映画がすぐれているのは、戦時の悲惨を描きながら、観る者に悲しみだけ

を残すのではない点だ。一枚のハガキは燃えて灰になり、それが黄金色の麦を実らせ

るラストシーンに、私は声が出なかった。

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