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2011年6月 1日 (水)

映画 裏面 ☆☆☆☆★

■ 裏面  Rewers 96分 ポーランド 2009年 (名古屋シネマテーク)

■ 監督 ボリス・ランコシュ

■ 私の採点

  ☆☆☆☆★

 今も残るスターリン時代の傷痕 その鎮魂

 110601

■ 映画を観た後で…

 

モノクロール画面が、重く、暗い戦後のポーランドを象徴しているかのようだ。

しかし、白黒画面の構図は、ときには美しく、ときにはサスペンスフルに傾斜する。

この映画は、同じポーランド人同士の密告と猜疑心とに囲まれた状況や、息が詰まり

そうな生活を、殺人事件を絡ませ、ユーモアと皮肉、そしてたくましさを込めて描いてい

くのだ。

毒薬で死ぬ男に、枕をスーっと置いてやる娘の優しく 滑稽な行為。

娘が殺した男を溶かす劇薬を、浴槽にゴボゴボと入れる母親の仕事っぷりのよさ。

男の骨は私の骨と一緒に始末しなさい、と提案する祖母の豪胆さ。

そして、50余年後…鎮魂の灯火は、

たとえば、毒薬で殺した卑劣な公安の手先の男にも、

不当に連行された出版局の部長にも、

同じアパートの住人だったパルチザンの老活動家にも、

圧殺されたすべての人のために点される。

娘だった老女の澄んだ目は、じっとローソクの炎を見つめる。

美しく印象的なラストシーンだ。

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