2012年5月21日 (月)

DVD 組織 ☆☆☆☆

■ THE OUTFIT アメリカ 1973年製作 105分

■ 監督 ジョン・フリン

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B級映画の傑作。

ロバート・デュヴァルが、昔の仲間のジョー・ドン・ベイカーと共に、犯罪組織に

挑んでいく話で、刑務所帰りの男を好演している。

組織に兄を殺された決着を何としてもつける。そのために、組織の金を強盗する。

冷静と激情を秘めたB・デュヴァルの表情は寂しげだが、J・D・ベイカーとの会話の

なかで見せるかすかな笑顔がたまらなくいい。

ほこりっぽいガソリンスタンド。

片田舎の犬。

安モーテルのビール。

男を誘う亭主もちの女。

非情で忠実な組織の殺し屋。

金庫の中のドル紙幣。

火を噴く拳銃。

組織の金を強奪する場面は不意を突いてスリリングだし、殺し屋に狙われるシーン

の緊張感の盛り上げ方も上手い。J・フリンの演出力はなかなかのものだ。

近年の映画に見られるような目まぐるしいカット割りや、大げさなグローズアップで

思わず反応させられる映画ではない。ストーリーと俳優の演技から醸し出される

犯罪映画の面白味を味わうことのできる映画なのだ。

30年以上昔に映画館でみたJ・フリンの映画は、「ローリング・サンダー」だ。

見終わって受けた強い印象は(なんと直情的で凄いバイオレンス映画か)だった。

しかし、今日DVDで観た「組織」は違う。(なんと味わいの深い報復の映画か)だ。

監督J・フリンやD・シーゲルたちが作った70年代アメリカB級映画には、いま観て

も秀作あり、怪作あり、そしてなかには「組織」のような傑作ありで、ずいぶん楽し

むことができる。

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2012年5月19日 (土)

DVD 戦火の中へ ☆☆☆☆

■ 포화 속으로(砲火の中へ) 韓国 2011年劇場公開 121分

■ 監督 イ・ジェハン

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実話をもとにして作られた映画の持つ迫力と、重みに圧倒される。

キャラクターなどは脚色されているだろうが、ソ連や中国からの軍事支援と

19万8000人の兵力を持った北朝鮮の猛攻が、兵力10万6000人の韓国領土

に戦死者の山を築いていったのは、たぶん本当なのだろう。

映画は、前線死守の命令を受けた71名の学徒たちの戦闘とその悲惨を描く。

訓練を受けないままに銃を手にする不安

兵数や装備も知らされていない敵への恐怖

銃創でえぐられた肉体の耐え難い痛苦

映画はそうした血みどろの状況を鮮烈な映像で再現している。

エンドタイトルが流れるなか、元学徒兵の生存者が語る言葉は、重い。

 

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2012年5月17日 (木)

映画 ビースト・ストーカー/証人 ☆☆☆☆★

■ BEAST STALKER/証人 香港 109分 (センチュリーシネマ)

■ 監督 ダンテ・ラム

■ 出演 ニコラス・ツェー   ニック・チョン 

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香港ノアールの傑作!

暗雑でエネルギッシュな香港の町での犯罪を、隠れる者と追う者とを

真正面にすえ、疾走感あふれる撮影で、見事に描いている。

建ち並ぶ香港島の雑居ビル

そこで突然始まる銃撃戦

逃げ惑う大勢の通行人や買い物客たち

全速力で逃走する乗用車 追う捜査車両

そして、交差点での激突 次々にクラッシュする車と車と車

物語の悲劇はここから始まる。

このクラッシュシーンの撮り方と、扱い方が実に上手い。

監督ダンテ・ラムは、ジョニー・トーとは異なる新たな才能を、この映画で発揮している。

                                                          

役者もいい。

とくに殺し請負者のニック・チョンが素晴らしい。

ほとんど視力を失いかけている濁った片目を持ち、

半身不随の妻を世話しながら、殺しの便利屋を続ける男。

その内に在る凄みと哀しみを見事に体現していて、圧巻である。

「ブレーキング・ニュース」「エレクション」「エグザイル」などでも忘れ

がたい印象的を残したが、いよいよ役者としての充実期を迎えつつ

あるのかも知れない。

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2012年5月16日 (水)

映画 わが母の記 ☆☆☆★

■ わが母の記 118分 (MOVIX三好)

■ 監督・脚本  原田眞人

■ 原作 井上靖

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丁寧につくり上げたことが画面からひしひしと伝わってくる映画で、ある種の格調の高

さを感じさせる大作と云える。

俳優も役所広司、樹木希林、宮崎あおいの三人をそろえ、その演技は見応えがある。

しかし、映画全体に抑制の効かない湿っぽさを覚えて、正直閉口した。

また、作り手の「感動させよう症候」が見え隠れしているとも感じた。

かっての原田眞人作品が懐かしい。

ビデオ「復讐の天使 KAMIKAZE TAXI」には、怖いほどの熱気があったし、

木村一八主演の「タフ」シリーズの4作の狂気にも、思わず引き込まれたものだった。

映画は、大作になればなるほど、面白味が失われていくのであろうか。     

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映画 ポテチ ☆☆☆☆

■ ポテチ 68分 (MOVIX三好)

■ 監督・脚本  中村義洋

■ 原作 井坂幸太郎

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ポテチ」 なんと軽いタイトル。

上映時間68分 なんと短いこと。

同じ日に観たので、「わが母の記」と比べてしまうのは、どうも仕方がない。

こちらも原作物で、脚本は監督が書いている点でも同じ。

さらに、偶然なのだが、同じ「母への想い」がテーマなのだ。

しかし、想いの種類と、思いの仕方が全く違う。

映画的な手法も、上映時間も、大きく異なる。

井坂小説が原作のため、内容を詳しく書くことはルール違反になるので止すが

「あっ」と思う度合いは、「わが母の記」より「ポテチ」のほうが断然大きかった。

「ポテチ」などという軽いタイトルの、わずか68分の映画だが侮ることはできない。

大嘘の映画なのだが、こつんと残るものがある「ポテチ」だった。

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2012年5月15日 (火)

Kさん夫婦のはんこ

 

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職場の先輩だった知人のKさん夫婦は、音楽鑑賞が共通の趣味。

2年前にワルシャワで開催されたショパン生誕二百年記念コンサートに

家族で出かけ、ブーニンのピアノ演奏に大感激。

以前から紀行文を同人誌に発表しているKさんは、ワルシャワのほか 

にも巡ったクラクフやウィーンでの演奏会もあわせ、「欧州音楽紀行」

として文章に纏めんと熱筆を奮い、ついに脱稿。あとは発行を待つのみ。

それを記念し、Kさんへの消しゴムはんこを作った次第です。

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2012年5月14日 (月)

映画 ル・アーヴルの靴みがき ☆☆☆☆

■ LE HAVRE フィンランド/ドイツ/フランス 93分 (名古屋シネマテーク)

■ 監督・脚本 アキ・カウリスマキ

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カウリスマキ映画の魅力は、登場人物が持つ独特の存在感である。

感情をあからさまに顕すことのない表情や

物思いにふけるように虚空を見上げる目や

時間が止まったかのような立ち姿が

不思議な滋味を醸し出し、カウリスマキの世界をつくってゆく。

それは、移民少年をかくまう話であっても、レストランの開業の物語であっても、

変わりはしない。

カウリスマキのファンとして、印象的だったのは、撮影色彩の美しさだった。

撮影はティモ・サルミネンという人で、ずっとカウリスマキの作品を撮ってきたという。

主人公夫婦の室内の色彩センスや コンテナが積まれた倉庫内の沈んだ青の美しさ。

この作品で、映画の味わいをかみしめる新たな愉しみが、またひとつ加わったようだ。

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